「ありのままの自分でいたいけど、どうすればいいの?」
「そもそも、ありのままの自分って何?」
あなたは今、そう考えていませんか?
今回は、哲学カフェで話し合われた「ありのまま」をテーマにした議論を紹介します。この記事を読むことで、参加者が「ありのまま」についてどのように考え、何を学んだのかを知ることができます。
「ありのまま」とは何か

そもそも「ありのまま」とは、どういう意味なのでしょうか?
今回のテーマの発端は、映画『アナと雪の女王』の主題歌「Let It Go」の歌詞にある「ありのまま」でした。
参加者からは、「ありのままに生きたら、人を傷つけることもあるのではないか」という意見や、「状況によって『ありのまま』の解釈は変わるのではないか」という意見が出ました。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 友達に遅刻された時、頭ごなしに叱る
- 同僚の昇進を素直に喜べない時、お祝いの言葉を伝える
あなたは、このような時どうしますか?
思ったことをそのまま口に出すことが、「ありのまま」と言えるのでしょうか?
それとも、相手の気持ちを考えて行動することが、「ありのまま」と言えるのでしょうか?
このように、「ありのまま」とは何かを考えると、多くの矛盾が生じます。
「ありのまま」とは何かを議論することは、自分自身と向き合うことなのかも知れません。
「ありのまま」の定義

そもそも「ありのまま」に定義はあるのでしょうか?
「ありのまま」を定義する難しさについて、こんな意見が出ました。
「『ありのまま』とは、無意識でいることではないか。何かを意識的に行っている時点で、それは『ありのまま』ではないのではないか。」
「『ありのまま』とは、自然体でいることではないか。例えば、今こうして話している時、私は特に何も考えずに思ったことを話している。これが今の私の『ありのまま』なのではないか。」
このように、「ありのまま」とは何かを考えていくと、意識と無意識の話が出てきます。
意識と無意識は、脳科学や心理学でも未だ解明されていない領域です。
そのため、「ありのまま」を定義することは、非常に難しいと言えるでしょう。
しかし、あえて「ありのまま」を定義することで、新たな発見があるかも知れません。
感情と言葉の関係

「ありのまま」を考える上で、感情と身体反応の関係についての話がありました。
「感情は身体反応を伴う。例えば、怒りを感じた時、体が震えることがある。この身体反応を言葉にすることで、感情を認識し、落ち着くことができる。」
「感情を言葉で表現することは、動物にはない人間特有の行為だ。人間は言葉を獲得したことで、感情を昇華できるようになったのではないか。」
この話から、「ありのまま」でいるためには、感情を言葉で表現することが重要なのかも知れません。
普段から自分の気持ちを言葉にするよう意識することで、本当の気持ちに気付けるようになるでしょう。
理性と感情

「ありのまま」を考える上で、理性と感情の関係についての話もありました。
「感情とは、目の前の出来事に対して反射的に起こるものだ。一方、理性とは、過去の経験や知識などから論理的に判断することだ。」
「例えば、目の前にナイフを持った人が現れた時、『怖い』と感じるのは感情である。一方、『この人は危険ではないか』と考えるのは理性である。」
このように、理性と感情は相反するものとして語られることが多いですが、どちらも私たちにとって大切なものです。
「ありのまま」でいるためには、理性と感情のバランスを取ることが重要なのかも知れません。
夢と心理状態の関係

「ありのまま」を考える上で、夢と心理状態の関係についての話もありました。
「昔よく見ていた夢は、汚いトイレを探している夢だった。しかし、最近はきれいなトイレを見つけて排泄する夢を見るようになった。」
「夢に出てくるトイレは、『排泄したい』という欲求を意味する。つまり、昔の私は欲求を我慢していて、今の私は欲求を満たせていると考えられる。」
このように、夢は心理状態を映し出す鏡のようなものだと考えられます。
「ありのまま」で生きられていないと感じたら、夢に注目してみると良いでしょう。
文人主義

「ありのまま」を考える上で、「文人主義」という言葉が出てきました。
文人主義とは、小説家の平野啓一郎さんが提唱している概念で、「人間は単一ではなく、その人が属するコミュニティの数だけ人が存在する」という考え方です。
例えば、家族といる時の自分、友達といる時の自分、会社でいる時の自分は、それぞれ違う人格だと考えます。
この話から、「ありのまま」とは、1つの人格を指すのではなく、全ての人格を指すのではないでしょうか。
もしそうだとしたら、私たちはすでに「ありのまま」で生きられているのかも知れません。
自分らしく生きるヒント
今回の哲学カフェでの議論を通じて、「ありのまま」とは何か、どうすれば「ありのまま」でいられるのかを考察しました。
今回の議論を踏まえ、自分らしく生きるヒントを3つにまとめました。
- 感情を言葉にする: 日記を書いたり、誰かと話したりすることで、自分の気持ちを客観的に見つめ直しましょう。
- 夢に注目する: 夢は心理状態を映し出す鏡です。夢の内容から、本当の気持ちに気付けることがあります。
- 全ての自分を認める: 文人主義の考え方を取り入れ、全ての自分を認め、受け入れましょう。
これらのヒントを参考に、あなたも「ありのまま」の自分を生きてみてはいかがでしょうか?